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春は狂犬病の集合注射の季節です。役所からのお知らせは届きましたか?
今回はその狂犬病の話題を。

以前からこんな誤解が多いと感じていました。

・予防注射は狂犬病予防のこと
・ワクチンは動物病院で打つ予防注射のこと
・愛犬の予防は集合注射だけで十分
・外にあまり出ないから狂犬病の予防注射は受けない

実は。

・予防注射(予防接種)=ワクチン

同じ意味なんです。狂犬病予防注射のことを“狂犬病ワクチン”と言ったりしますし、病院で打つ狂犬病以外の伝染病予防の注射を“予防注射”と言ったりします。・愛犬の病気予防のためには2つの注射が必要です。

(1) 狂犬病ウイルスに対するもの 狂犬病予防法で定められ、犬を飼っている場合は必ず受けなければならない決まりになっています。いわゆる集合注射はこの狂犬病だけ予防するものです。他人を咬んでしまった、という事故のときに重要視されるのはこちらの注射です。
(2) 狂犬病ウイルス以外のウイルス、病原体に対するもの

法律で定められていませんが、狂犬病よりも感染機会の多い病気に対する予防注射です。動物病院では「○種混合ワクチン」と説明しています。ほかの犬との交流の中でうつる病気が多いため、ペット美容室、ペットホテル、動物病院ではこの予防注射をしていないと受け入れを断られることもあります。混合ワクチンで予防できる病気には、

   犬ジステンパーウイルス感染症
   犬パルボウイルス感染症
   犬アデノウイルス(2型)感染症
   犬伝染性肝炎
   犬パラインフルエンザ
   犬コロナウイルス感染症
   犬レプトスピラ病(黄疸出血型、カニコーラ型)


があります。どの病気の予防をするかは愛犬の生活環境や活動状況によります。

・狂犬病の予防注射を受けなくてもいい?

主に小型犬で散歩にあまり出さないので狂犬病の予防注射を受けていない、日本では犬の狂犬病の発生がないから注射をしない、と言う方が時々いらっしゃいます。特に後者の理由は一見なるほどなあと納得しがちですが、これは考え方が逆です。

日本は予防法のもと、毎年予防注射を実施し続けたからこそ、約50年間にわたって犬の狂犬病の発生がないのです。継続は力なり。発生がないからと注射を受けないという犬が増え、予防率の低下から狂犬病の発生を招いた場合、犬を飼っている方の不安はもちろんですが、犬を飼わない方や動物を苦手とする方の恐怖は犬達にとってあまり良い方向に向かうとは考えられません。

狂犬病予防を継続することは愛犬の安心安全のためだけでなく、飼い主の社会全体に対する義務でもあるのです。

ちなみに
狂犬病の予防注射は動物病院でも受けられます。集合注射会場で興奮したり怖がる愛犬には、動物病院での接種をお薦めしています。かかりつけの病院にお問い合わせください。

 

 前回は、猫尿石症の原因には水分とミネラルがとても大切である点を強調しました。今回は水分に注目した治療や、家庭で出来る予防対策、尿石症のなりはじめや治療中に気をつけていただきたい症状についてみていきます。

 猫の尿石症は、膀胱内に形成された結晶や結石が原因となって、血尿や頻尿、痛みのある排尿障害などが見られる病気です。このような症状が治療されず、長期にわたって放置されると怖いのが尿路閉塞です。尿路閉塞は、結晶や結石が尿道に詰まっておしっこが出ず、膀胱が風船のように腫れてしまう状態です。尿道が狭くて長い雄猫にみられ、場合によっては尿毒症を発症して死亡することもあります。結晶や結石の量が多い場合、治療を始めているにもかかわらずこの閉塞を起こすこともあるので注意が必要です。

 トイレに行ってもまったくおしっこが出ず、なおかつ食欲や元気がない、吐き気があるなどの症状がみられたらすぐに診察を受けるようにしてください。尿路閉塞から尿毒症になってしまった場合は、点滴治療や尿道チューブの装着(3〜7日ぐらい)が必要になり、入院しなければなりません。


 尿路閉塞や尿毒症は、猫に非常に苦しい思いをさせる状態です。そうならないために、次に挙げるような治療や予防対策をお薦めしています。

1.食事療法食/処方食
 猫が尿石症と診断されると動物病院ではもれなく治療食をお薦めします。ドライフードと缶詰の2つのタイプがありますが、どちらも消化性を高めて糞便の量を少なくする、尿の量を増やす、結石の成分であるミネラルを少なくする、尿pHを下げる(下がると結石が溶ける)などの効果があります。治療方法としては最も効果があります。

 治療食はいくつかのメーカーから何種類も販売されているので、猫の好みに合ったフードを選べると思います。

 注意点として、この治療食の中には尿量を増やす(水を多く飲ませる)ためにナトリウム、いわゆる塩分を強化しているものがあります。7〜10歳以上の高齢の猫でこの治療食を継続して与えている場合は、腎臓の検査(血液検査と尿検査)を定期的に行いましょう。塩分は腎臓に負担をかけるため、腎不全の危険性が高くなるのです。

治療食の一例

ドライフードより缶詰を食べよう
 ドライフードと缶詰では、後者のほうが水分を大量に含んでいますので、苦労せず猫に水分を取らせることができます。

 具体的な数字でみてみましょう。

 猫は1日に水分を約80ml/kgぐらいとればよいといわれています。5kgの猫であれば400mlですからコップに2杯です。あるメーカーのドライフードと缶詰中の水分(5kgの猫の1日量)を比較すると、ドライフードの中には10ml弱、缶詰の中には200ml強の水分が含まれています。缶詰を食べていれば、残りはコップ1杯の水を飲めばよいわけですが、ドライフードでは水分をほとんどとっていないことになるので、コップ2杯の水を飲む必要があります。コップ2杯の水を猫が自発的に飲むのは難しく、したがってドライフード中心の食事をしていると、水分をとる量が少なくなって尿が濃くなるのです。逆に缶詰をできるだけ与えるようにすると、猫が水分を取りやすく尿石症対策になります。



 ただし、尿石症になってから市販の缶詰に変更しても治療にはなりません。尿石症になったら食事療法食などで結晶・結石を取り除き、治療が終わったら缶詰を与える、という形で再発予防として考えてください。

尿酸化剤
 尿石症の治療の第一選択は治療食ですが、中には与えられる治療食を食べない猫もいます。この場合、ある種の結石は内服薬で尿石を溶かすことができます。

 ストラバイト結晶は、尿のpH(バランス)が酸性に傾くと溶けやすくなります。この尿pHを酸性になるよう用いるのが尿酸化剤です。尿酸化剤には塩化アンモニウムとメチオニンという2種類があり、動物病院で処方を受けることができます。塩化アンモニウムは、副作用として下痢、嘔吐などの消化器症状が出やすく、またメチオニン単独では初期治療が成功しづらいという印象があります。

飲み水とトイレの工夫
 たくさんの水を飲むことは、尿石症の治療と予防になります。猫は水にうるさく、汲みたてもしくは汲みおきの水、風呂水、洗面所やシンクの流水など、好む場所や水の鮮度のタイプはさまざまです。猫にできるだけ多くの水を飲んでもらうために、常に猫の好みに合わせた水を用意しましょう。飲み水に缶詰で風味付けをする、市販のまたたび水などで興味を持たせする方法もお勧めです。

 また、猫トイレを清潔に保ち、汚れや臭いを嫌って排尿を我慢しないようにしましょう。多頭飼いをしている場合は、1匹に1個のトイレが理想とされています(これはなかなか難しい)。
肥満の解消
 前回、肥満は運動量の減少→飲水量の減少→尿石症ということに触れました。肥満は尿石症の直接の原因にはなりませんが、万病の元と考えて長い目でみて一緒に対応できるとよいと思います。尿石症を治療したあと、再発予防のために取り組んでください。
 長々と対処方法をあげてみましたが、尿石症の治療方法は1の食事療法食と3の尿酸化剤です。予防には2,4,5の工夫をお薦めしています。冬場から春先にかけては尿石症が多発する時期です。猫の体調に十分に注意していただき、気になることがあればかかりつけの先生によく相談するようにしましょう。

※治療食やサプリメントの写真を掲載していますが、特定のメーカー、製品をお薦めするものではありません。